事業所数で見る都道府県別ビジネス環境 47 県比較

産業・事業所 公開 2026-05-26 更新 2026-05-26 著 全国法人検索 編集部 読了 約 7 分
事業所数経済センサス産業ビジネス環境ランキング

事業所数は、地域にどれだけの事業活動が存在するかを示す最も実体的な指標です。経済センサス活動調査によれば、全国の事業所数はおよそ 540 万事業所にのぼり、そのうち東京・大阪・神奈川の上位 3 都府県だけで全体の 4 分の 1 超を占めます。本稿では、47 都道府県の事業所数ランキングを軸に、ビジネス環境の地域差・人口あたり密度・産業構造の違いを 1,900 字で読み解きます。

事業所数 1 位は東京、3 県で全国の約 25%

事業所数ランキングの首位は東京都で、およそ 62 万事業所を擁します。これは全国総数のおよそ 11.5% に相当し、単一都府県としては突出した規模です。2 位は大阪府でおよそ 38 万事業所、3 位は神奈川県でおよそ 31 万事業所と続きます。上位 3 都府県の合算で全国の約 25% を占めており、全国の事業所のおよそ 4 件に 1 件は東京圏か大阪圏に存在することになります。これは「人口の集積」「企業本社・支社の集積」「専門サービス需要の厚み」が、大都市圏に強く偏っていることの直接的な現れです。

東京都 964,506事業所 大阪府 412,591事業所 愛知県 301,779事業所 神奈川県 274,030事業所 埼玉県 213,226事業所 北海道 206,262事業所 福岡県 203,962事業所 兵庫県 192,651事業所 千葉県 162,159事業所 静岡県 155,011事業所
上位 10 県の横向き棒グラフ。最大 964,506事業所
事業所数 上位 10 県 (千事業所)

人口あたり密度で見ると順位は意外な顔ぶれに

人口 1 万人あたりの事業所数で並び替えると、上位の顔ぶれは大きく変わります。1 位はおおむね東京都ですが、2 位以下には島根県・高知県・山口県・徳島県といった、地方の中堅県が連なります。これは「人口減少局面でも商店・小規模事業者の数は緩やかにしか減らない」「中山間地域では小規模事業所が散在する傾向が強い」という構造的要因によります。逆に埼玉・神奈川・千葉といった首都圏ベッドタウン県は、人口は多くても事業所は東京に集約される結果、人口あたり密度では中位以下に沈むことが多くなります。事業所「数」と「密度」の乖離は、地域経済の実態理解にとって重要な視点です。

タイル地図で見る事業所の地理的偏在

下のタイルカルトグラム (各都道府県を等面積タイルで描き、色濃淡で値を表現する可視化) を見ると、太平洋ベルト沿いの色が一様に濃く、東京・大阪・愛知・神奈川・福岡の 5 都府県が中核ハブを形成していることが視覚的に分かります。一方、北東北・北陸・南九州・離島県では色が淡く、事業所数の絶対値が小さい地域が広く分布しています。これは単に人口分布の差だけでなく、企業立地・物流網・市場接近性といった条件の差を反映したものです。タイル地図は通常の地理地図と異なり、面積の大きい北海道に視覚的バイアスがかからないため、絶対値の比較に向いています。

21,695事業所 964,506事業所 群馬: 80,159事業所 群馬 埼玉: 213,226事業所 埼玉 千葉: 162,159事業所 千葉 東京: 964,506事業所 東京 神奈川: 274,030事業所 神奈川 新潟: 98,859事業所 新潟 富山: 46,118事業所 富山 石川: 52,795事業所 石川 福井: 37,683事業所 福井 山梨: 37,169事業所 山梨 長野: 92,294事業所 長野 岐阜: 90,939事業所 岐阜 静岡: 155,011事業所 静岡 愛知: 301,779事業所 愛知 三重: 65,339事業所 三重 滋賀: 47,527事業所 滋賀 京都: 110,136事業所 京都 大阪: 412,591事業所 大阪 兵庫: 192,651事業所 兵庫 奈良: 41,167事業所 奈良 和歌山: 42,236事業所 和歌山 鳥取: 21,695事業所 鳥取 島根: 30,287事業所 島根 岡山: 75,346事業所 岡山 広島: 119,108事業所 広島 山口: 52,083事業所 山口 徳島: 32,127事業所 徳島 香川: 42,169事業所 香川 愛媛: 56,123事業所 愛媛 高知: 31,638事業所 高知 福岡: 203,962事業所 福岡 佐賀: 31,756事業所 佐賀 長崎: 53,531事業所 長崎 熊本: 65,985事業所 熊本 大分: 46,094事業所 大分 宮崎: 44,152事業所 宮崎 鹿児島: 66,335事業所 鹿児島 沖縄: 57,712事業所 沖縄 北海道: 206,262事業所 北海道 青森: 50,216事業所 青森 岩手: 48,607事業所 岩手 宮城: 83,873事業所 宮城 秋田: 40,736事業所 秋田 山形: 47,762事業所 山形 福島: 75,688事業所 福島 茨城: 96,325事業所 茨城 栃木: 72,175事業所 栃木
事業所数 タイルカルトグラム。値が高いほど濃い青色で表示されます。詳細データは下のテーブルを参照してください。
事業所数 タイルカルトグラム (47 県)

人口と事業所の相関 - r ≈ 0.97 のほぼ完全な線形関係

人口を横軸、事業所数を縦軸にとった 47 県の散布図を描くと、極めて強い正の相関 (相関係数 r ≈ 0.97) が観察されます。つまり、人口が多い県ほど事業所も多いという、ほぼ完全な線形関係です。ただし、東京・大阪・愛知の上位 3 都府県は回帰直線の上側に位置し、「人口から期待される事業所数を上回って事業所が集積している」状態にあります。逆に、埼玉・千葉・神奈川は回帰直線の下側に位置し、「ベッドタウン特性で東京に事業所機能を吸い上げられている」状態と解釈できます。この上振れ・下振れこそ、ビジネス集積度を測る重要な観点です。

人口 (人) 事業所数 (事業所) 964,506 21,695 531,000 14,178,000 東京都: 14,178,000人 / 964,506事業所神奈川県: 9,225,000人 / 274,030事業所大阪府: 8,757,000人 / 412,591事業所愛知県: 7,460,000人 / 301,779事業所埼玉県: 7,332,000人 / 213,226事業所千葉県: 6,251,000人 / 162,159事業所兵庫県: 5,337,000人 / 192,651事業所福岡県: 5,092,000人 / 203,962事業所北海道: 5,043,000人 / 206,262事業所静岡県: 3,527,000人 / 155,011事業所茨城県: 2,806,000人 / 96,325事業所広島県: 2,714,000人 / 119,108事業所京都府: 2,520,000人 / 110,136事業所宮城県: 2,248,000人 / 83,873事業所新潟県: 2,099,000人 / 98,859事業所長野県: 1,987,000人 / 92,294事業所岐阜県: 1,916,000人 / 90,939事業所群馬県: 1,890,000人 / 80,159事業所栃木県: 1,885,000人 / 72,175事業所岡山県: 1,831,000人 / 75,346事業所福島県: 1,743,000人 / 75,688事業所三重県: 1,711,000人 / 65,339事業所熊本県: 1,697,000人 / 65,985事業所鹿児島県: 1,532,000人 / 66,335事業所沖縄県: 1,466,000人 / 57,712事業所滋賀県: 1,402,000人 / 47,527事業所奈良県: 1,285,000人 / 41,167事業所山口県: 1,281,000人 / 52,083事業所愛媛県: 1,276,000人 / 56,123事業所長崎県: 1,252,000人 / 53,531事業所青森県: 1,165,000人 / 50,216事業所岩手県: 1,145,000人 / 48,607事業所石川県: 1,098,000人 / 52,795事業所大分県: 1,085,000人 / 46,094事業所宮崎県: 1,033,000人 / 44,152事業所山形県: 1,011,000人 / 47,762事業所富山県: 997,000人 / 46,118事業所香川県: 917,000人 / 42,169事業所秋田県: 897,000人 / 40,736事業所和歌山県: 880,000人 / 42,236事業所山梨県: 791,000人 / 37,169事業所佐賀県: 788,000人 / 31,756事業所福井県: 739,000人 / 37,683事業所徳島県: 685,000人 / 32,127事業所高知県: 656,000人 / 31,638事業所島根県: 642,000人 / 30,287事業所鳥取県: 531,000人 / 21,695事業所 東京都神奈川県大阪府愛知県埼玉県
散布図: 47 都道府県 / X 軸 人口 (531,000〜14,178,000人) / Y 軸 事業所数
人口 × 事業所数 散布図 (47 県)

産業構造の違いが事業所数に与える影響

事業所数の中身を産業別に見ると、地域ごとに大きな特色が表れます。卸売・小売業は全国どこでも最大の業種ですが、東京・大阪では情報通信業・専門技術サービス業が顕著に多く、愛知・静岡では製造業の事業所比率が高く、北海道・沖縄では宿泊・飲食サービス業の比率が突出しています。山形・新潟・富山といった日本海側の県では、製造業 (とくに食品加工・繊維) の事業所が地域経済の主軸となっており、農林漁業の事業所も他県より多い構造です。事業所数の「絶対値」だけでなく「産業構成」を見ることで、地域経済の輪郭がよりはっきりと浮かび上がります。

まとめ - 事業所数は地域経済の最も実体的な指標

事業所数は、その地域にどれだけの事業活動が存在するかを示す、最も実体に近い経済指標です。絶対値では東京・大阪・神奈川が上位を占める一方、人口あたり密度では地方の中堅県が上位に入る逆転現象が起きます。最新の 47 都道府県ランキングは 事業所数ランキング で随時更新しています。あわせて 産業カテゴリ TOP から関連指標を、全指標一覧 から 50 を超える周辺指標もご覧いただけます。自社の市場戦略・立地戦略を検討する際の客観データとしてご活用ください。

全国法人検索 編集部
全国法人検索 (houjin.goo.to) の編集部。e-Stat と約 500 万社の法人 DB を組み合わせ、47 都道府県の地域経済を独自分析しています。