用語集2026/6/8by 初心者向けライター

ROICとは?初心者にもわかる「投下資本利益率」の意味とROE・ROAとの違い

ROIC (投下資本利益率) は「事業に投じたお金で、どれだけ効率よく稼いだか」を本業ベースで測る指標。計算式、ROE・ROAとの違い、WACCとの比較の考え方を初心者向けにやさしく解説します。

ROIC とは?初心者にもわかる「投下資本利益率」の意味

ひとことで言うと

ROIC (Return On Invested Capital・投下資本利益率) は、「事業のために投じたお金で、本業からどれだけ効率よく稼いだか」 を測る指標です。

「ロイック」と読みます。株主のお金だけでなく、借りたお金も含めた 事業に使っているお金全体 に対して、本業の利益がどれくらい出ているかを見ます。

計算式

ROIC = 税引後営業利益(NOPAT) ÷ 投下資本 × 100 (%)

少しだけ用語を分解します。

用語やさしい意味
税引後営業利益 (NOPAT)本業の利益(営業利益)から税金を引いたもの
投下資本事業に使っているお金 = 自己資本 + 有利子負債(おおよそ)

たとえば税引後営業利益が80億円、投下資本が1,000億円なら、ROICは 80 ÷ 1,000 × 100 = 8% です。

ROE・ROA との違い

ROICは、すでにおなじみの ROEROA とよく似ていますが、「分子」と「分母」の取り方が違います。

指標分子(利益)分母(元手)特徴
ROE当期純利益自己資本株主目線の効率
ROA当期純利益総資産資産全体の効率
ROIC税引後営業利益投下資本(自己資本+有利子負債)本業に絞った効率

ポイントは、ROICが 「本業の利益(営業利益ベース)」 を使うことです。土地の売却益のような本業以外の利益や、財務の影響を取り除いて、事業そのものの稼ぐ力 を見られるのが強みです。

ROICが本当の威力を発揮する場面:WACCとの比較

ROICは、単体の数字より 「WACC(ワック)」と比べる ことで意味が深まります。

WACC (加重平均資本コスト) は、ざっくり言うと 「会社がお金を集めるのにかかるコスト(株主や銀行が期待する利回り)」 のことです。

  • ROIC > WACC … 集めたお金のコストより、稼いでいる → 価値を生んでいる
  • ROIC < WACC … コストのほうが高い → 規模は大きくても価値を削っているおそれ

つまりROICは、「その会社が、お金を預ける価値のある使い方をしているか」を見るための物差しになります。近年は経営目標に「ROIC経営」を掲げる上場企業も増えています。

注意点

1. 計算方法に幅がある

NOPATや投下資本の細かい定義は、会社や分析者によって少し違うことがあります。比べるときは 同じ計算方法どうし で見るのが安全です。

2. 単年の数字に振り回されない

一時的に利益が大きい年はROICも跳ね上がります。数年の流れで見る習慣をつけましょう。

3. 業種をそろえて比べる

設備の重い業種は投下資本が大きく、ROICは低めに出やすい傾向があります。比べるなら同じ業種の中で。

まとめ

  • ROIC = 税引後営業利益 ÷ 投下資本 × 100
  • 株主+銀行のお金(事業に投じた全額)に対する、本業の稼ぐ効率を見る
  • ROE・ROAと違い、本業に絞って評価できる
  • WACCと比べて「価値を生んでいるか」を判断するのが王道の使い方

次の用語: ROEとは? / ROAとは? / 営業利益率とは?

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