無形固定資産とは?初心者にもわかる「会社が持つ形のない資産」
無形固定資産とは、特許権・のれん・ソフトウェアなど会社が長期間事業に使うために保有する「形のない資産」のことです。有形固定資産との違い、代表的な項目、業種によって保有割合が異なる理由、初心者が見るときの注意点まで、表でやさしく整理しました。
無形固定資産とは?初心者にもわかる「会社が持つ形のない資産」
無形固定資産とは、「会社が長期間にわたって事業に使うために持っている、特許権・のれん・ソフトウェアなど形のない(目に見えない)資産」のことです。貸借対照表(バランスシート)の「資産の部」の中に記載される項目のひとつで、物理的な実体はないものの、会社の稼ぐ力を支える大切な資産として計上されます。
無形固定資産に含まれるもの
具体的には、次のようなものが無形固定資産にあたります。
| 項目 | 具体例 |
|---|---|
| のれん | M&A(企業買収)で、買収額が買収先の純資産を上回った差額 |
| 特許権 | 発明・技術に対する独占的な使用権 |
| 商標権 | ブランド名やロゴマークなどを独占的に使用できる権利 |
| ソフトウェア | 自社利用または販売目的で開発・購入したプログラム |
| 借地権 | 他人の土地を借りて使用する権利 |
これらはいずれも、目には見えませんが、会社が商品やサービスを提供し続けるうえで支えとなっている「権利」や「価値」のような資産です。
有形固定資産との違い
無形固定資産と混同されやすい項目に「有形固定資産」があります。見ている対象が異なるので、整理しておきましょう。
| 項目 | 具体例 | 特徴 |
|---|---|---|
| 無形固定資産 | 特許権、のれん、ソフトウェアなど | 形がなく、目に見えない |
| 有形固定資産 | 土地、建物、機械装置など | 形があり、目に見える |
どちらも「長期間にわたって事業に使う資産」という点は共通していますが、無形固定資産は権利やブランド価値のように物理的な形を持たない資産、有形固定資産は物理的に存在する資産、という違いがあります。有形固定資産についての解説はこちらもあわせてご覧ください。
業種によって保有割合は大きく異なる
総資産に占める無形固定資産の割合は、業種によって大きく異なります。
- 保有割合が高くなりやすい業種: IT・ソフトウェア業、M&Aを積極的に行ってきた業種、ブランド価値の比重が大きい消費財メーカーなど(特許・ソフトウェア・のれんなどの割合が大きくなりやすいため)
- 保有割合が低くなりやすい業種: 製造業の中でも設備集約型の業種、卸売業など(有形固定資産が中心となりやすいため)
このように業種ごとの事業の性質が反映されるため、「無形固定資産の割合が高い・低い」だけで会社の良し悪しを単純に判断することはできません。同業種の他社と比べることが大切です。
のれんを見るときの注意点
無形固定資産の中でも、初心者が特に注意しておきたいのが「のれん」です。
- のれんはM&Aの結果として生まれます。買収した会社の将来の収益力への期待などを反映して、買収額が純資産額を上回った分がのれんとして計上されます
- のれんが大きい会社は、それだけ積極的にM&Aを行ってきたことを示しますが、買収した事業の業績が計画を下回ると、のれんの価値を切り下げる「減損」が発生することがあります
- 減損が発生すると、その期の利益が大きく下押しされることがあるため、のれんの金額が総資産に占める割合が大きい会社を見るときは、買収した事業の業績動向にも目を配っておくとよいでしょう
注意点
- 取得原価をもとにした金額であり、実際の価値とは異なる場合があります。無形固定資産は、取得や開発にかかった費用をもとに計上されており、ブランド価値や技術力そのものを直接的に測っているわけではありません
- 多ければ良い、少なければ良いとは単純に言えません。無形固定資産が多い会社は成長投資やM&Aに積極的である一方、のれんの減損リスクも抱えやすくなります。少ない会社が劣っているという意味でもありません
- 単独の指標として断定的な判断はできません。無形固定資産の水準は、自己資本比率やROAなど他の財務指標とあわせて確認することが大切です
IRDBで見るには
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- 有形固定資産とは? — 土地・建物・機械装置など形のある資産を見る用語解説
- 自己資本比率とは? — 総資産に占める自己資本の割合を見る指標
- ROA(総資産利益率)とは? — 総資産を使ってどれだけ効率よく稼いだかを見る指標
- 企業データを調べる — 各企業の総資産・無形固定資産などの財務データを確認できます
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