ROAとは?初心者にもわかる「総資産利益率」の意味と目安
ROA (総資産利益率) は「会社が持っている資産すべてを使って、どれだけ効率よく儲けたか」を測る指標。計算式・目安・ROEとの違い・注意点を初心者向けにやさしく解説します。
ROA とは?初心者にもわかる「総資産利益率」の意味と目安
ひとことで言うと
ROA (Return On Assets・総資産利益率) は、「会社が持っている資産すべてを使って、どれだけ効率よく儲けたか」 を測る指標です。
会社の資産には、株主が出したお金だけでなく、銀行からの借入で用意したお金も含まれます。ROAは、その 全部の資産 をどれだけ上手に活かして利益を生んだかを見るものです。
計算式
ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100 (%)
| 項目 | 値 |
|---|---|
| 当期純利益 | 20億円 |
| 総資産 | 610億円 |
| ROA | 20 ÷ 610 × 100 ≒ 3.3% |
目安
| ROA | 評価 |
|---|---|
| 1% 未満 | 効率がやや低い |
| 1〜5% | 標準的 |
| 5〜10% | 優秀 |
| 10% 超 | 非常に優秀 |
ただし、業種によって基準が大きく異なります。たくさんの設備や在庫を抱える製造業はROAが低めに出やすく、資産が軽いIT・サービス業は高めに出やすい傾向があります。
ROE との違い
ROAとよく似た指標に ROE (自己資本利益率) があります。違いは「分母」です。
| 指標 | 分母(何で割るか) | 何を見る |
|---|---|---|
| ROA | 総資産(借入も含む全部) | 資産全体の効率 |
| ROE | 自己資本(株主のお金だけ) | 株主資本の効率 |
ポイントは、借入を増やすとROEは上がりやすいのに、ROAはごまかしにくい という点です。
たとえば借金を増やして事業を大きくすると、自己資本に対する利益(ROE)は高く見えます。でも、借りたお金も含めた総資産で見るROAは、本当の稼ぐ力をより素直に映します。そのため、ROEとROAを並べて見ると、その会社が「実力で稼いでいるのか」「借入をテコにして数字を大きく見せているのか」が見えてきます。
注意点
1. 一時的な利益に注意
土地や株式の売却益など、本業以外の一時的な利益で当期純利益がふくらむと、ROAも一時的に高く出ます。本業の利益(営業利益)の動きも合わせて確認しましょう。
2. 業種をそろえて比べる
製造業とサービス業をそのまま比べても、設備の重さが違うため公平ではありません。比べるなら 同じ業種の中 で見るのがコツです。
3. 「高い=良い」とは限らない
資産を絞りすぎて成長に必要な投資を控えている場合も、ROAは一見高く出ることがあります。数字の背景まで見る習慣をつけましょう。
具体例で見てみる
IRDBに掲載している実際の企業データで、ROAとROEの関係を見てみましょう(FY2026)。
| 企業 | 業種 | ROA | ROE | 自己資本比率 |
|---|---|---|---|---|
| 群栄化学工業 | 化学 | 3.3% | 4.1% | 82.4% |
| マイネット | 情報・通信 | 5.1% | 16.2% | 31.3% |
群栄化学工業はROAとROEの差が小さいですね。これは借入が少なく(自己資本比率が高く)、ROEが「借入のテコ」で膨らんでいないことを表します。
一方マイネットは、ROA 5.1%に対してROEが16.2%と大きく開いています。自己資本比率が31%と低めなため、ROEがそのぶん高く出ているのです。ROEだけを見ると見落とす「効率の中身」が、ROAと並べると見えてくる という好例です。
IRDB で ROA を見るには
IRDB では ROAランキング で各企業のROAを高い順に並べて見られます。業種別フィルタもあるので、同業内での順位も確認できます。
まとめ
- ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100
- 一般的な目安は1〜5%が標準、5%超で優秀(業種により異なる)
- ROEと違い、借入でごまかしにくい
- ROE・自己資本比率と合わせて見ると「稼ぐ力の中身」がわかる
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