用語集2026/7/31by 初心者向けライター

NISAとは?初心者にもわかる「投資の利益に税金がかからない制度」【2026年版】

NISA(ニーサ)は、投資で得た利益に税金がかからなくなる制度です。ふつうの口座なら利益の20.315%が税金として引かれますが、NISA口座ならそれがゼロになります。つみたて投資枠(年120万円)と成長投資枠(年240万円)の違い、生涯で1,800万円という上限、売却した分の枠が翌年よみがえる仕組み、そして「損益通算ができない」という見落としがちな注意点まで、数式を使わず表と具体例でやさしく整理しました。制度の内容は金融庁の公表資料にもとづいています。

NISAとは?初心者にもわかる「投資の利益に税金がかからない制度」【2026年版】

ひとことで言うと

NISA(ニーサ)とは、「投資で得た利益に、税金がかからなくなる制度」 です。

ふつう、株式や投資信託で利益が出ると、その利益に対して税金がかかります。ところがNISAの口座で買ったものなら、その税金がゼロになります。

正式には「少額投資非課税制度」といいます。国が「みんなに資産づくりをしてほしい」という目的でつくった、国の制度です。特定の会社のサービス名ではありません。

「税金がかからない」がどれだけ大きいか

まず、ここを実感していただくのがいちばんの近道です。

投資の利益にかかる税率は、20.315% です。内訳は次のとおりです。

内訳税率
所得税15%
復興特別所得税0.315%
住民税5%
合計20.315%

では、100万円で買ったものが120万円になったので売った場合を比べてみましょう。利益は20万円です。

ふつうの口座(課税口座)NISA口座
利益200,000円200,000円
税金40,630円0円
手元に残る額159,370円200,000円

※上の金額は説明のための例です。

同じ20万円の利益でも、手元に残る額が40,630円ちがいます。

「2割くらいなら」と思われるかもしれません。ですが、これが10年、20年と積み重なると、差はぐんと開きます。利益が大きくなるほど、非課税の効きめも大きくなるからです。

これがNISAの正体です。特別に儲かる仕組みではなく、「税金を引かれない」という仕組みです。ここはとても大事なので、あとでもう一度触れます。

NISAには2つの枠があります

現在のNISAには、性格のちがう2つの枠があります。名前が似ていてまぎらわしいので、表で並べます。

つみたて投資枠成長投資枠
年間に投資できる額120万円240万円
月あたりの目安10万円20万円
買えるもの金融庁の基準を満たした投資信託・ETF上場株式・投資信託など、幅広い商品
向いている使い方コツコツ積み立て個別の株なども組み合わせたいとき

そして大切なのが、次の一行です。

2つの枠は、同じ年に両方使えます。 合わせて 年間360万円 まで投資できます。

「つみたてNISAか、一般NISAか、どちらか選ぶ」——これは2023年までの古い制度の話です。今はどちらか一方を選ぶ必要はありません。

つみたて投資枠で買えるもの

つみたて投資枠で買えるのは、金融庁が定めた基準を満たす投資信託・ETFに限られています。手数料が低い、長期の積立に向いている、といった条件で絞り込まれたものです。

商品の数が絞られていることは、初心者にとってむしろありがたい面があります。数千本の中から選ぶより、選択肢が少ないほうが迷いにくいからです。

成長投資枠で買えるもの

成長投資枠では、上場株式や投資信託など、より幅広い商品を買えます。「応援したい会社の株を買ってみたい」という方は、こちらの枠を使うことになります。

ただし、すべてが対象というわけではありません。 次のようなものは対象から外されています。

  • 整理銘柄・監理銘柄(上場廃止が決まった、またはその恐れがある銘柄)
  • 信託期間が20年未満の投資信託
  • 毎月分配型の投資信託
  • デリバティブ取引を使った一定の投資信託

いずれも「長く安心して持つ」という制度の趣旨に合わないため除かれています。

生涯で使えるのは1,800万円まで

年間の枠とは別に、一生を通じた上限があります。

項目金額
非課税保有限度額(生涯の総枠)1,800万円
うち、成長投資枠で使える上限1,200万円

読み方に少しコツがあります。

  • つみたて投資枠だけで1,800万円すべてを使うことは、できます。
  • 成長投資枠だけで1,800万円を使うことは、できません。(成長投資枠は最大1,200万円まで)

つまり、1,800万円のうち少なくとも600万円分は、つみたて投資枠を使うことになる設計です。国が「コツコツ積み立てを軸にしてほしい」と考えていることが、この数字にあらわれています。

なお、この1,800万円は買ったときの値段(簿価)で数えます。 買ったあとに値上がりして2,500万円になっても、枠を使い切ったことにはなりません。「いくらで買ったか」で数えると覚えてください。

売ったら、枠はよみがえります

ここが、以前の制度から大きく変わった点です。

NISAで買ったものを売却すると、その分の枠が翌年以降によみがえり、また使えるようになります。

タイミングできごと
2026年100万円分を購入 → 生涯枠を100万円使用
2027年それを売却
2028年以降買ったときの値段(100万円)の分だけ枠が復活

ポイントは2つあります。

  1. 復活するのは「買ったときの値段」の分です。120万円で売れても、復活するのは買値の100万円分です。
  2. 復活するのは翌年以降です。売ったその年にすぐ使えるわけではありません。

以前の制度では、一度売ったら枠は戻ってきませんでした。今は「必要になったら売って、また後で使える」——ライフイベントに合わせやすい制度になっています。

いつまで持てる?いつまで始められる?

項目内容
非課税で持てる期間無期限
制度が使える期間恒久化(2024年1月から)
口座を持てる人日本国内に住む18歳以上の方
口座の数1人1口座(金融機関は年単位で変更可)

「非課税保有期間が無期限」というのは、「いつ売るか」を税金の都合で決めなくてよいということです。以前のつみたてNISAは20年、一般NISAは5年という期限がありましたが、その心配はなくなりました。

焦って売る理由がない。 これは初心者にとって、想像以上にありがたい変更です。

見落としがちな注意点

いいことばかり書いてきましたので、ここからは正直に、弱点もお伝えします。

1. 損をしても、他の利益と相殺できません

これがいちばん大事な注意点です。

ふつうの課税口座なら、Aで50万円損して、Bで50万円儲けた場合、差し引きゼロとみなして税金がかからないという扱いができます。これを損益通算といいます。さらに、引ききれなかった損失を翌年以降3年間持ち越せる繰越控除という仕組みもあります。

NISA口座は、このどちらもできません。

NISA口座での損失は、税金の計算上「なかったこと」として扱われます。利益が出たときは有利ですが、損が出たときは不利——これがNISAの構造です。

2. 元本は保証されません

当たり前のようで、意外と誤解されるところです。

NISAは「税金がかからない箱」であって、中身の値動きを守ってくれるものではありません。 箱の中で値下がりすれば、資産は減ります。

「NISAだから安心」ではなく、「NISAという箱に、何を入れるか」が本題です。

3. 枠は翌年に持ち越せません

その年に使わなかった年間の枠(360万円)は、翌年に繰り越せません。 今年100万円しか使わなくても、翌年が620万円になることはなく、翌年もやはり360万円です。

4. 非課税の恩恵は「利益が出たとき」だけ

税金がゼロになるのは、利益が出た場合の話です。利益が出なければ、そもそも引かれる税金もありません。

「NISAを使えば得をする」のではなく、「利益が出たときに、引かれずに済む」。この順番を取り違えないことが、落ち着いて続けるコツです。

よくある質問

Q. つみたて投資枠と成長投資枠、どちらから始めればよいですか?

A. 制度上はどちらからでも始められますし、両方を同時に使うこともできます。どの商品をどれだけ買うかは、ご自身の目的や生活設計によって変わります。この記事は制度のしくみを説明するものであり、特定の商品や配分をおすすめするものではありません。

Q. 途中でお金が必要になったら、引き出せますか?

A. NISAはいつでも売却して現金化できます。この点は、原則60歳まで引き出せないiDeCo(個人型確定拠出年金)と大きく異なります。そして前述のとおり、売った分の枠は翌年以降によみがえります。

Q. 金融機関はあとから変えられますか?

A. 変えられます。ただし年単位での変更となり、その年にすでにNISA口座で買い付けをしている場合は、その年の変更はできません。

Q. 2023年までのNISAで持っている分はどうなりますか?

A. 現在のNISAとは別枠として扱われ、それぞれの非課税期間が終わるまで持ち続けられます。現在の1,800万円の枠を消費するものではありません。

2026年の話題:制度はさらに広がる方向です

2026年度の税制改正では、18歳未満を対象にしたつみたて投資枠(年間60万円、総額600万円)の導入が議論されています。また、債券を中心にした投資信託もつみたて投資枠の対象に加える方向が示されています。

ただし、制度の詳細や開始時期は今後の決定次第です。最新の情報は、必ず金融庁の公式サイトでご確認ください。

IRDBで会社を調べるには

成長投資枠では上場株式も対象になります。「気になる会社があるけれど、どんな会社かよく知らない」——そんなときは、まず決算の数字を見てみてください。

IRDBでは、金融庁のEDINETに提出された有価証券報告書のデータをもとに、各社の業績や財務指標をまとめています。

  • 企業を検索する — 売上高、営業利益、自己資本比率などをまとめて確認できます
  • ROEランキング — 利益を出す効率が高い会社を並べて見られます
  • 用語集 — 決算書に出てくる言葉を一つずつ解説しています

数字の意味がわかってくると、ニュースの見え方が変わります。あわてて動かずに済むようになる——これが、いちばんの収穫かもしれません。

この記事のまとめ

  • NISAは投資の利益にかかる20.315%の税金がゼロになる国の制度
  • つみたて投資枠(年120万円)成長投資枠(年240万円)があり、併用して年360万円まで
  • 生涯の上限は1,800万円(うち成長投資枠は1,200万円まで)。買ったときの値段で数える
  • 非課税期間は無期限、制度は恒久化。18歳以上、1人1口座
  • 売却した分の枠は翌年以降によみがえる
  • ただし損益通算・繰越控除はできず、元本も保証されない

制度の内容は金融庁の公表資料にもとづいています。実際の口座開設や商品選びの前には、金融庁および各金融機関の最新の案内を必ずご確認ください。

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